出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/04/11 04:49 UTC 版)
(CSI から転送)
『CSI:科学捜査班』(シー・エス・アイ かがくそうさはん)はアメリカ・CBSのテレビドラマ(海外ドラマ)シリーズ。日本では、WOWOWやAXN、テレビ東京系列が放送している。
解説
欲望が渦巻く街・ラスベガスを舞台に次々起こる難事件を科学捜査班(CSI = Crime Scene Investigation、正しくは鑑識班)が最新科学を駆使して、現場証拠から犯人及び犯行過程を解明していく。1エピソードごとに複数の事件をチーム分けで担当することもあれば、チーム全員で1つの事件を捜査することもある。必ずしも事件が全て解決する訳ではなく、解決しても良い結果にならない場合がある。また、各話のエンディング部分で、後日談などのエピソードが描かれることなく、いきなり終わってしまうことが多いのも特徴である。
セットや小道具の全ては、実際の捜査で使用する本物を用意し、リアリティの追求に余念が無い。このような芸当が可能なのはアメリカのテレビ番組制作における予算が潤沢なためである。また、現実の犯罪捜査で鑑識班が捜査班として、尋問や逮捕あるいは捜査などの刑事の仕事をすることは有り得ない(彼らは警察官ではなく技官)。
ちなみに、番組中CSIチームが使う捜査用車両は番組開始当初はシルバーの二代目ジープ・グランドチェロキーだったが、第1シーズン中盤から青の二代目シボレー・タホ、第2シーズンからタホの姉妹車である青(第6シーズンからシルバー)の二代目GMC・ユーコンデナリ、第7シーズン第3話からシルバーの三代目ユーコン、第8シーズン第13話から黒の三代目ユーコンのハイブリッド仕様に乗り換えている。
作品評価
全米では、『ER緊急救命室』、『フレンズ』を抜いて視聴率No.1になり、その好調さを示すように『CSI:マイアミ』、『CSI:ニューヨーク』と2作のスピンオフ作品が発表されている。また、第31回 People's Choice Awards(アメリカ映画俳優組合賞)にてフェイバリット・テレビ・ドラマシリーズで受賞、キャサリン役のマージ・ヘルゲンバーガーがフェイバリット・テレビ・スター女優賞を受賞した。また主演のウィリアム・ピーターセンの2008年時点での一話あたりのギャラが60万ドルであり、これは全米のドラマで最高額である[1]。
社会への影響・批判
劇中ではDNAや死体の毒物検査などの検査結果が短時間で出ているが、現実には数週間から数ヶ月かかる。[1] このように実際の犯罪捜査の手順からかけ離れているとの批判が存在する。また、アメリカでは人気番組であるCSIを見た陪審員が、現実とかけ離れた証拠の基準を抱くようになり、たとえ複数の目撃証人がいても、科学的証拠なしでは有罪判決を拒否するようになる傾向があるのではないかと論ずる検事や法学者も存在する[2]。他にも劇中で行われる高度な科学捜査を一般に広めてしまうことで、犯罪隠蔽の巧妙化を招くのではないかと不安視する声もある[3]。この意見はドラマ内でも取り上げられ、記者がグリッソムにその質問をするシーンがある。
降板騒動
「CSI:科学捜査班」は放送が10年以上に及ぶ長寿作品ということもあり、当然ながら出演者の入れ替えも随時行われるが、ここではその顛末がメディアの話題となった事例を記す。
2004年、ギャラ交渉のもつれによってサラ役のジョージャ・フォックスと、ニック役のジョージ・イーズの降板が発表された。後日、制作側との和解によって二人の降板は取り消されたが、2007年の契約更改でジョージャ・フォックスの更新は行われず、彼女は第8シーズンで番組を降板した。
2008年、ウォリック役のゲイリー・ドゥーダンが契約の更新を断り降板すると発表された。発表から約半月後にゲイリーが複数の薬物所持で逮捕。降板の理由に関してさまざまな憶測が飛び交った。
2008年、グリッソム役のウィリアム・ピーターセンが第9シーズンを最後に番組を降板することが発表された。一部では「マイアミ」「NY」などスピンオフ化の方向性に不満を持ったと噂されたが、降板後もピーターセンはエグゼクティブ・プロデューサーとして番組の製作に関わっている。
2009年、サラ役のジョージャ・フォックスがシーズン9の第10話にゲスト出演。その後、シーズン10の5話分に出演することが発表された。また彼女はシーズン11の出演も契約を済ましており、メディアでは事実上のレギュラー復帰ではないかと目されている。
その他
主題歌はザ・フーの「Who Are You」。
アメリカではニンテンドーDS対応の「CSI:」というゲームソフトが発売された(日本の機種にも対応)。
シーズン8では、「FBI 失踪者を追え!(以後FBI)」とのクロスオーバーがCSI6話「絆に飢えた狼 / Who & What」とFBI6話「狼の末路 / Where & Why」で行われた。また、アメリカではCSIを前編として、「FBI」を後編として放送。日本に関しては、「FBI」がSuper!dramaTVでの放送だったが、該当エピソードに限りWOWOWでも2009年5月9日にCSIの後に放送された。
登場人物
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